農学院
生物資源科学専攻 修了
札幌試験農場
2017/4/1入社
論理的に選抜に取り組み
強みのある品種を作り出す
Q1:住化農業資材を志望した理由は?
大学では、F1採種に広く利用されている細胞質雄性不稔に関する研究として、花粉の観察結果と核酸を抽出して得た解析結果の相関関係を調べていました。研究を通して、遺伝子型の違いが明確に形質の違いとして現れることを目の当たりにし、育種に興味を抱くようになりました。
また、学生時代に農業サークルでの活動を通じて、農家さんと交流する機会があり、不安定な自然環境の中で、高品質で高付加価値の作物を生産しようと努力する農家さんに貢献したいと感じると同時に、自身で作物を栽培することへの興味も高まりました。これらを両立できる場として、種苗会社を志望し、当社は種苗会社としては後発ながらも、研究開発への意欲が強い点に魅力を感じ、入社を決めました。
Q2:現在はどのような業務に携わっていますか。
野菜の新品種開発を担当し、播種計画や交配計画の策定、開発目標に則した栽培時期や環境の設定、良い品種・系統の選抜や採種等を行っています。良い品種や系統を見極めるためには、まずは適切な栽培をする必要があるため、播種、定植、その後の管理といった、一連の栽培工程を大事にしています。
また、産地に足を運び、品種の説明や試作結果の聴き取り、ニーズの調査なども行っています。
Q3:仕事にやりがいを感じるのはどんな時ですか。
1つめは、自分が狙った通りの選抜ができたと実感するときです。何年にも渡り、望ましい形質を得られるように選抜を繰り返すことで、自分が選抜した系統が徐々に開発目標とするものに近付いていくことにやりがいを感じます。
2つめは、産地での試作において良い結果が出た時です。試作とは、新たに開発した品種の種子をサンプルとして農協や種苗店、農家等に提供し、試験的に栽培していただくもので、試作結果が良いと販売につながります。試作結果が良いことは、開発が正しかったことの証明であり、手ごたえを感じます。
Q4:仕事をする上で大切にしていることを教えてください。
選抜の確度を高める工夫はもちろんのこと、効率よく業務を進め、試行数を増やすことを心掛けています。
また、品目によって異なるものの、品種開発は1サイクルに1~2年を費やすため、失敗はそのまま年単位の遅れになります。そのため、論理的な計画をたてることはもちろんのこと、多くの人の協力で成り立っている作業では、良いチームワーク環境を築くことに心掛けています。
Q5:どのような目標を持って仕事をしていますか。
自分自身が携わった品種を世に送り出し、市場を席巻することを目標としています。これは、産地の畑や、スーパーの売場の多くが、自分が開発した品種で占められているようなイメージです。そのためには、生産者や消費者の方々に対して、明確なメリットのある品種が必要だと思いますので、ニーズに応えられる品種を作るよう心掛けています。
Q6:住化農業資材の魅力とは?
一番の魅力は、主体的に業務に取り組めることだと思います。同じ品目に関わっている人は全社でも少数のため、若い頃から業務の裁量は大きくなります。また、目標を高く掲げる社風があることから、挑戦的な提案も筋が通っていれば受け入れてもらえます。
住友化学グループとして社の体制がしっかりしており、就業規則や安全衛生に対する順法意識が強い点、グループ間での共同研究や情報共有の機会に恵まれている点も魅力だと思います。